Q何故、災害救援に対して思いが強いんですか?
よくある質問です。私がIVUSAで活動した大半が災害に関するものなので、周りからそう思われているのでしょう。
結論からいうと、
「災害救援を行う自分が好き」
だからです。
しかし、こう答えたことは一度もありません。
「現地の一日でも早い復旧のため」
「非日常に身を置き、様々なことを吸収するため」
などと答えてきました。
決して、嘘ではありません。むしろ、行く回数が増える程、それらの気持ちは強くなっています。
ですが、それらの気持ちを芽生えさせ、育て、支えている根本は「災害救援を行う自分が好き」なのです。
何故そう答えてきたかというと、くっそ恥ずかしいし、ダサいから。
今までにそんな理由聞いたことあります?(笑)
先輩、同期、後輩ですらカッコイイ立派な理由を述べています。
私もそれに憧れ、羨ましく思い偽っていました。
そういった訳で、この気持ちは死んでもいうまいと思っていたのですが、最近この様な気持ちは皆さんも少なからず持っているのではないかと思うようになりました。
そして、その気持ちを理解することがネツハラからの脱却に繋がるとも思うようになりました。
何故ネツハラからの脱却につながるかの前に、この様な気持ちの説明をします。
例えば、オシャレなカフェ巡りが好きなA君がいるとします。
A君はインスタなどでオシャレなカフェを探してはそこに行きたいなと思っています。
その時、A君の頭の中はそのカフェの雰囲気のある内装だけを想像するでしょうか?
手の込んだラテアートが施されたカフェラテだけ想像するでしょうか?
きっと、その空間にはA君もいるでしょう。
カフェラテを写真に収めている自分も想像していると思います。 もしかしたら、そのカフェでの写真をストーリーに上げている自分を想像しているかもしれません。
何かを好きになったり、傾倒したりする裏側には
「そうなっている自分が好き」という気持ちがあると思います。
なので、A君は「カフェ巡りが好きな自分が好き」といえるでしょう。
この様な気持ちとは「○○している自分が好き」ということです。
そして、皆さんに共通している、していた?「好き」があると思っています。
それは、「ボランティアをしている自分が好き」というもの。
皆さんの入会理由は様々だとは思いますが「ボランティアをしている自分」を想像せずに入った人はいないと思います。
少なくとも「ボランティアをしている自分」に好感を持って入ったのではないかと思うのです。
その後、「クラブに所属している自分が好き」になった人もいれば、「人の為に動く自分が好き」になった人など様々な枝分かれがあると思います。
私は、たまたま「災害救援を行う自分が好き」になりました。
これの何がネツハラからの脱却に繋がるかというと、「○○している自分が好き」は人それぞれが違うということです。
なので、ネツハラをしてしまった側は相手の「○○している自分が好き」を想像して接していく必要があるでしょう。
また、ネツハラを受けた側は「相手はそういう自分が好きなんだ」と思えば、その人が鬱陶しい人から少し可愛い人になるのではないでしょうか。
双方の歩み寄りがネツハラを無くす一つの方法だと思います。
これらを踏まえ、私はこう思っています。
大学生は「○○している自分が好き」を探せる時間だと。
私たちはモラトリアムな期間を過ごしています。
しかし、そんな期間を過ごせるのも残りわずかです。 その期間に多くの「○○している自分が好き」を見つけることが人生楽しくできる一つの方法かなって私は思っています。
そして、「○○している自分が好き」を見つける一つのツールとして災害救援に参加するのはどうでしょう?
災害救援は非日常の現場です。今まで接してきたことが無い精神状態の人々と接する現場です。これらの環境に身を置くことで自分では気付かなかった「○○している自分が好き」を見つけられかもしれません。
いや、見つけられると思います。「ボランティアをしている自分」に好感を持って入った皆さんなら。 この記事を読んで災害救援に関心を持ってくれた人は、こちらもぜひチェックしてください。
減災ファクトリーとは
①減災についての知識を持つ人をどんどん生み出していく場
②子ども向け防災プログラム実施を形にしていく製作所
という2つのメッセージが込められたチームです。様々なコンテンツやイベントを設置しながら、“減災”の考えと行動の普及を目指して活動しています。
=ここまでの回=
【この記事を書いた人】
横谷謙太朗 大阪東大阪クラブ、近畿大学、4年
28期減災ファクトリー西日本工場長
1年生時に災害救援活動に参加し、その現場での経験から防災・減災に目覚める。その後、防災士の資格を取得したほか、クラブでの減災事業の実施などに取り組んできた。 好きな歌手誰?と聞かれた時に本当はスガシカオだが、それではハネないのでKing Gnu と答えがち。
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