2022年の夏プロが終わりました。
残念ながら飯山の活動は中止になってしまいましたが、それ以外は全プロジェクトが無事に終了。3年ぶりのプロジェクト本格実施となりました。
2020年・2021年は新型コロナウイルスの感染拡大を受けてプロジェクトを中止せざるを得なかったわけですが、今回の夏はどうだったのでしょう?
■日本が感染者数世界一に
皆さんご存知のように、7月から新型コロナウイルス感染拡大の「第7波」が始まっていました。一日の新規感染者数が20万人を超える日も多く、世界保健機関(WHO)の週報で日本の感染者数が7月末から4週連続で世界最多となっていました。
一日の新規感染者数20万人と言えば、今年の2月の「第6波」のピークの約2倍、一年前の夏の「第5波」に比べると約8倍!(第5波のピークは8月20日の25,868人)
https://news.yahoo.co.jp/articles/d753422d4960a529df997d2b36e38fc0a0204625
そのような「感染爆発」にもかかわらず、この夏、再開されるイベントやお祭りは増えてきました。人数制限や基本的な感染対策防止はあったとしても、コロナ前のような状態にかなり戻りつつあります。もし東京オリンピック・パラリンピックを今年に延期していたらとしたら、少なくても「無観客」にはならなかったのではないでしょうか。
コロナに対する政府の対応も変わりつつあります。政府分科会の尾身茂会長ら専門家有志は、全ての感染者の発生届などを提出してデータを集める「全数把握」をやめ、入院患者や重症化が懸念される人に絞って情報を収集する新たな仕組みの構築することを8月初めに提案しました。
もちろん実際は感染者数が多すぎて、濃厚接触者の把握までするのは無理という現実的な事情もあるでしょう。感染症法上の「2類か5類か」という議論もありますが、実態としては、少しずつ「普通の風邪やインフルエンザ」のような扱いに近づきつつあると言えそうです。
■いつの間にか終わりそう?
ホプキンス大学の医学史学者、ジェレミー・グリーン氏は、パンデミックの終わり方には2通りあると言います。一つは「医学的な終息」で、罹患率と死亡率が大きく減少して終わる。もう一つは「社会的な終息」で、病気に対する恐怖心や警戒心が薄れてきて終わるというものです。
日本においては、第7波の時、メディアが旧統一教会問題と、国葬問題一色だったということもあり、知らないうちに第7波が終息したといった感じになりました。コロナ対応がうまくいかずに退陣した一年前の菅政権のときとは雲泥の差です。
結局のところ、メディアが取り上げなくなり、イベントやお祭りをしても批判されないようになれば、「ノーマル」に戻っていくのでしょう。
IVUSAも社会情勢の変化に合わせて、活動のガイドラインを近々更新していく予定です。
また、今回のパンデミックは、私たちの社会の「優先順位」というものを明らかにしました。
法的な根拠やデータというよりは、「空気」によってものごとが決まっていくのも相変わらずです。
コロナは「終息」したとしても、今回の「緊急事態」によって浮き彫りになった課題やその原因を分析し、次の「緊急事態」に備えて改善していくことは「終息」させてはいけないはずです。
「喉元過ぎれば熱さを忘れる」ようにならないよう、気を付けましょう。
この記事を書いた人
理事・事務局員 伊藤 章
IVUSAの中では管理業務一般と、広報や社会理解学習のプログラム作りをする係。最近は、海ゴミ問題のキャンペーン「Youth for the Blue」も担当
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