Social Salon in IVUSA Vol.001 <テーマ:LGBT> イベントレポート

2019年度からの新たな取り組みとして、IVUSAでは、NPO法人Social Salonとコラボして、社会課題について身近に知り、感じ、考えるイベント、“Social Salon in IVUSA”を月に一回開催することとなりました。 


NPO法人Social Salonは、様々な、毎回違った社会課題をテーマに取り上げ、当事者や支援者のお話を聞いた後に、参加者全員で、「自分はどう感じる」「どんな社会にしたい」などを語ることを通じて、社会のコトを自分ゴトとして捉えることを目指す対話の場づくりを行う団体です。 



4月14日に世田谷区上野毛地区会館にて開催された第一回のテーマは、“LGBT”。 ゲストスピーカーは、IVUSAのOBでもある、勝又栄政(かつまた てるまさ)さん。 


自らが、トランスジェンダー・FtM(※)当事者であり、IVUSA在籍中は、LGBT勉強会を立ち上げ、運営していました。現在は、株式会社LITALICOにて、障害者の就労移行支援を携わる傍ら、LGBTパレードを主催する NPO法人Tokyo Rainbow Pride での活動や、個人で大学や企業に向けてのLGBT講演活動などを行っています。

 (※Female to Male :出生時のカラダの性が女性で、ココロの性が男性の人。MtFとは、その逆で、出生時のカラダの性が男性で、ココロの性が女性の人。出典:NPO法人性同一性障害支援機構 )




当日レポート

まず、開催に先駆け、NPO法人Social Salon代表・湯田 舞(ゆだ まい)さんから、SocialSalon及び本イベントの趣旨説明が語られました。


そして始まった、ゲストスピーカー・勝又さんのお話。
“LGBTについての知識・理解”をテーマに
・LGBTにまつわる用語解説
・ご自身のエピソード

についてのお話がありました。

最初に、勝又さんから参加者全体に投げかけられた、この質問。

 

「あなたの性別は、何ですか?そう思うのは何故ですか?」


…あなたなら、何と答えますか? 

簡単そうに見えて、“何故”を問われると意外にすんなり答えられないこの質問ではないでしょうか。
会場でも首をかしげる参加者も多くみられました。

わかるようで、わからない、“性別の根拠”。
勝又さんは、理由がよくわからないという“当たり前”の裏に、差別や偏見に繋がる重要なポイントがあるのではないか、と語ります。

用語解説では、

LGBTとは?」というそもそもの概念についてや、「心の性」「身体の性」「性的指向」の3種類によって私たちの性(セクシュアリティ)は構成されることを説明していただきました。



また、LGBTと一言で言っても様々な種類が存在すること、現にアメリカのFacebookの性別欄には50種類もの選択肢があること、そして自身の性を「限定したくない」という人達もいて、性とは“グラデーション”である、というお話も。 



また、”見た目で分からない”という状況もあり、日本人口の約11人に1人は存在する(※ 2018年電通ダイバーシティラボ調査 2019年1月10日に配信 )にも関わらず、そんなに会ったことがある人がいない、という現状の裏には、「言えない(カミングアウトし難い)社会的環境」があると言います。  


続いて、ご自身のエピソードに関するお話。
これまで生きてくる中で感じた障壁を、「周囲と自分との差」「身体の変化」「将来の夢・就職活動」「結婚・子ども・社会保障・医療」の4つのテーマに分けて、具体的なエピソードと共にお話いただきました。周囲の人との関わりなどの文化的なことだけでなく、社会的な制度も障壁になることがわかりました。 


休憩を挟んでおこなわれたのは、ケーススタディ。
これまで聞いたお話を基に、参加者全体でグループに分かれ、

以下2つの事実

 ①LGBTの人が、「前例がない」という理由で就職出来ない
 ②「同性婚反対!」と、主張する人たちがいる

について
「なぜ、起きるか」「どうすれば良いと思うか」の2点を話し合いました。

その後、性的マイノリティの人たちの“生きづらさ”を生み出す「社会の価値観」について、勝又さんのお話を聞きながら考えました。家庭や学校での教育、メディア、その他の社会…「社会の価値観」の構成要素を考えてみると、社会のルールである“法律”も大きな要素といえます。 


例えば、昨今ニュースで目にすることも多い、<同性婚>
日本では認められていませんが、合法となっている国々もあります。 




でも、その国の仕組みの根幹である法律を作ったり決めたりする、政治家を選んでいるのって一体誰…? 私たち一人ひとりも、決して無関係ではないこと、だからこそ一人ひとりができることを考え続けていく大切さを学びました。 


 最後に、「対話TIME」として、感想をシェアした後、

①どんな社会がいいなと思いますか?「○○な社会」と表してみてください。 

②そのために自分は、どんなことができますか?  

という2つのお題に対して、参加者全体でグループに分かれ、対話の時間を持ちました。


 参加者からは、「自分たちができることとして、もっといろんな情報を得たいと思ったけれど、自分たちが得ている情報も、誰かの手によって加工されたものだから、その裏を読み取っていくことも必要だと気付いた」

「周りの人を大切にする、言葉に気を使う、など、個人で出来ることもあるが、もっと大きな、仕組みや法律を作る側に立たないと変えられないこともあると気付いた」などの意見がありました。




本イベントは、IVUSA会員だけでなく、外部の方の参加も受け付けており、今回は、IVUSA学生14名、一般参加者3名の参加がありました。

Social Salon in IVUSAは、学生と社会人が、IVUSAの理念でもある、”共に生きる社会”に向けて対話を行う機会でもあります。これからも月に一度開催して行きますので、ご興味をお持ちの方、是非ご参加ご検討ください。


0コメント

  • 1000 / 1000