バーチャルOB・OG訪問 ~オルタナティブな選択をした先輩 その3~

 大学を卒業し、都市部でサラリーマンとして働く人が「ふつう」の今、地方で第一次産業や地域活性化にかかわるという「オルタナティブ」な生き方をしているIVUSAのOB・OGを紹介するこのシリーズ。

 3人目は地域おこし協力隊として新潟県長岡市に行き、今はながおか市民協働センターに勤務する志渡澤美沙さん(25期)です(1月にご結婚されて現在の姓は浅田)。

25期が続きますが、偶然です。





Q.どうして地域おこし協力隊に参加されたんですか?

 もともとIVUSAでは長岡市での地域活性化のプロジェクトにずっとかかわっていましたが、地域おこし協力隊に参加するようになった経緯はそんなにポジティブなものではありませんでした。

2年生になった頃には、栃尾の魅力に染まり、2ヶ月に1度の小規模隊にも参加。
もちろんフェニックス(長岡花火大会)にも!


2年生の春プロ。長岡市栃尾地区でのほだれ祭り活性化活動のリーダーをしました
(ご神体に乗りました…。詳しくはググってください)



大学3年生のときに、精神的にも体調的にも大学に行きづらくなっていまして、それで両親から環境を変える意味で、大学を休学して、地域おこし協力隊に行くことを勧められたのがきっかけです。それで大学4年になるときに、自動車免許を持っていなかったので、最初の3か月で教習所に通い、2017年の7月から長岡市川口地域で地域おこし協力隊として入りました。

協力隊員としての主なミッションは婚活イベントの運営と子どもたち向けの減災教育の二つでした。


婚活イベントは何回かやりましたが、男性にくらべて女性がなかなか集まらないのが課題でしたね。川口地域だけでやると同窓会のようになってしまうので、隣の小千谷市や長岡市内の他の地域の人も呼びかけて参加してもらいました。

婚活に慣れ親しんでもらうために、新潟のラジオパーソナリティをお呼びし、婚活に関するトークショーを開催



婚活イベントを開催した他、開催したイベントの様子を「婚活って何?」というテーマで情報発信しました。
隣の小千谷市・十日町市・長岡市街地で開催されたイベントの情報も発信し、

婚活の敷居を下げようという目的でも活動していました。



また、減災教育に関しては、今の中学生は2004年の中越地震や2007年の中越沖地震も知らないので、「ショッピングモールで買い物しているとき」や「自宅に一人でいるとき」に地震が起きたらどうするかということを考えるようなワークショップ型の授業を学校でやりました。


川口中学校での授業の様子。
自己紹介の際には、東映の撮影所に子役として通っていた頃に、女優さんと撮ってもらった写真を見せると、少し場がほぐれました。

授業の構成や喋り方・伝え方に関して、
IVUSAの時代に経験したイントラの経験が活きました。



地域おこし協力隊の任期は3年なので、その後はながおか市民協働センターに就職して、現在は経理や総務の仕事をしています。



Q.地域おこし協力隊に参加してみてどうでしたか?

 一言でいえばいい経験でした。家賃もありませんし、車も与えられましたし、地域に入って何かやりたい人にはおススメです。


 協力隊の活動以外にも、

長岡市川口地域の交流都市・東京都狛江市で川口地域の「女みこし」を担いだり、


 川口地域の雪積合戦に友達と参加したり、



 バンド活動したり、津軽三味線集団で日本民謡を唄ったり、

 と本当に充実した川口ライフでした!


 ただ協力隊には、向き・不向きがあるのも事実です。協力隊は一週間に30時間勤務で、自由に業務をやってくださいという形式です。地域の中で住むので、プライベートでも協力隊として見られるので、オンオフを切り替えづらいというのはあります。その辺りを割り切れる人なら全然大丈夫じゃないでしょうか。


 女性の一人暮らしだったのもあって集落の方たちは心配してくださったのですが、生活の結構細かいことまで気にかけられるのは、私にとってはカルチャーショックでした。あとは「川口地域内で結婚して定住するために来たんでしょ」というような空気を出されるのは、正直微妙なところもありました。


 ただ、たくさんの人とのつながりができましたし、協力隊の任期が終わったときも、これからの人生を考えたとき、周りにいて欲しいと思う人が多かったので、自然と居続けることになりました。親も「新潟にいる方がずっと生き生きしている」と言ってくれています。

 今住んでいるのは、川口地域外ですが、適度な距離感で川口地域とは今もかかわり続けています。



Q.学生や他のOB・OGへのメッセージをお願いします。

 「社会的処方(Social Prescribing)」という言葉があります。これは、患者の課題を解決するために、地域の活動やサービスなどの社会参加の機会を“処方”することです。私にとっての地域おこし協力隊は社会的処方でした。


 今思うと、大学時代はいろんな意味で頑張っていました。IVUSAの活動でも、前向きに自分を鼓舞していかないと思い続け、弱音も吐くこともできずに、結果として疲れてしまったのだと思います。大学時代の自分に声を掛けるとしたら、「息抜きしながら、適度に活動を楽しめばいいんだよ」と言いたいですね。


この田んぼは、栃尾の活動でお世話になった方の田んぼでの一幕。
協力隊になってからも、IVUSAでお世話になった栃尾の方々と交流がありました。
コロナ禍前は、関東からOBOGが来て、一緒に田植え・稲刈りをすることも。


 長岡市に活動中によく使った銭湯があります。活動中は切羽詰まっていて、ただ身体を洗って出るだけでしたが、こちらに住むようになってから、初めて外湯があることに気づきました(露天風呂が3つもあります)。他にも長岡の多く魅力を感じましたし、これからの人生が豊かになるような多くの経験をすることができました。


Q.多くの経験をされたと思いますが、その中でも一番印象に残っているのは何ですか?

 今のダンナとの出会いですね。

 小千谷市の地域おこし協力隊の人が引き合わせてくれました。

協力隊に来ていなかったら、出会えなかったわけですから。


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