Social SalonオンラインVol.5 知り・感じ・考える!〜“アイヌ”の文化や歴史〜

社会課題について身近に知り、感じ、考えるイベント、Social Salon。2020年8月よりオンラインでの開催をスタートさせました!オンライン第5弾は、2020年12月13日(日)14:00〜17:00開催しました。IVUSA会員10名、一般参加者8名と、ゲスト・スタッフ含め約30名の方々との学びの時間となりました。


今回は、ゲストスピーカーとして、 

*ご自身、アイヌであり、歌や踊りなどの文化の伝承や講演活動を行いつつアイヌ料理のお店を営まれている宇佐照代さん 

*映画『カピウとアパッポ〜アイヌの姉妹の物語〜』の監督、佐藤隆之さん 

のお二人にお越しいただきました。 



主宰の湯田による、Social Salonや場についての説明などの後、ゲストのお話から始まります。 


▼Social Salonとは  



1人目のゲスト・宇佐照代さんのお話  

北海道釧路市生まれの宇佐さんは、現在は、新宿区在住・新大久保にてアイヌ料理の店「ハルコロ」を営まれながら、アイヌの伝統の踊りや歌のパフォーマンス等を行われています。宇佐さんから、“アイヌ文化について”と、宇佐さんご自身のライフストーリーについてお話いただきました。


最初に教えていただいたのは、「イランカラプテ」という挨拶のアイヌ語。「あなたの心に触れさせてください」という意味があるそうです。 


◎アイヌの人々とは? 

日本列島北部周辺、とりわけ北海道に先住し、独自の言語、宗教や文化の独自性を有する先住民族。平成20年6月に「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」が衆参両院において全会一致で採択された。 


▼内閣官房アイヌ総合政策室 Webサイト参照


「神」をあらわす、「カムイ」や現在の北海道の地名、また、雑誌の「non-no」、動物の「トナカイ」「ラッコ」など、私たちの生活の中にある言葉で、アイヌ語由来のものも沢山あることをお聞きしました。気になる人は、是非調べてみてください!その他にも、衣類や住まい、食べ物など様々な文化について教えていただきました。  



続いて、宇佐さんのライフストーリーについて、お話頂きました。印象的だったのは、宇佐さんのおばあちゃんのお話。亡くなる前のおばあちゃんに、「民族の誇りを持って生きていってくれ」と初めて言われたことをきっかけに、毎日のようにおばあちゃんの話を聞き、アイヌ民族について様々なことを知り、伝承される今日に繋がったそうです。 


お話の中で、差別の歴史にも触れて頂きました。言葉を始めとした文化が、“日本”への同化政策の中で途絶えてゆく恐れ、政策の中で土地や仕事を取り上げられた過去から現在まで続く、結婚・就職などにまつわる差別や就学率の低さ…そしてそれらが、貧困の連鎖に繋がっている現状をお聞きしました。 


「アイヌ」については、これまで教科書の中の数行の知識しか知らず、アイヌ民族の方のお話を直接聞いたのは初めて、という参加者の方も多くいらっしゃいました。 


これまでどんなことが起き、現在どんな問題があって、これからどうして行けば良いのかー現代の社会の問題について考える上で、歴史を紐解き、事実を知ってゆくことの大切さを感じました。 



2人目のゲスト・佐藤隆之さんのお話

(主宰・湯田からのインタビュー形式)  

佐藤さんは、現在、タクシードライバーをしながら、ドキュメンタリー映画の監督をされています。アイヌではなく、“和人”という立場で、アイヌなどの他の民族や、民族に限らず様々なバックグラウンドの人たちとどうやって関わってゆくか?ということに、向き合ってこられ、アイヌの姉妹の映画、『カピウとアパッポ〜アイヌの姉妹の物語〜』を製作されました。

大学時代にインドに訪れた際、環境や考え方や人の違いに衝撃を受け、普段自分の過ごしている環境がごく一部だと思うと共に、様々な民族に興味を持ち、そこから現在は、日本でのマイノリティに興味を持たれた、佐藤さん。  


映像を撮る際に気をつけていることは、自分が意図して作り込んだ、「撮りたいもの」を撮るのではなく、なるべく、写る人たちの自然な姿を映し出すことだそうです。  


和人(非アイヌ)として関わられる中で、大事にされていることは、“真面目”であること、“オープンマインド”であること。そして、“偏見”、それ以前に“先入観”を持たないこと。教科書的に一般化された知識を持って、「ちょっと知った/ちょっと学んだ」状態で安心して、思考停止するのでなく、自ら実際に知り合ったり、話したりしながら、相手を知っていくことが大切なのではないか、というお話をお聞きしました。 


途中、1人目のゲストの宇佐さんとのクロストークが偶然生まれることもあり、和やかなおしゃべりの雰囲気の中、様々なことを知る時間となりました。 



対話TIME 

ラストは、恒例の“対話TIME”。ゲストのお話を元に、さまざまな問いについて、グループに分かれ、自分の意見を言い合いながら、考え、語ります。


問い① 

お2人のお話を聞いた感想や気付きなどを自由にお話ください。 


問い② 

“人権が尊重されない状況や人”で、思い浮かぶことは、どんなことでしょう?


問い③ 

“あなた”は、どんなことが出来そうでしょう? 


これを読んでいる皆さんも、ぜひ、考えてみてください。 

SocialSalonでも初めてのテーマ、「アイヌ」。「これまで何も知らなかったことに衝撃を受けた。」「初めて、アイヌ民族の方のお話を聞いた」との声も、多くありました。

NPO法人国際ボランティア学生協会のミッションでもある、「共に生きる社会」。 


私たちは、どんな人たちと、どうやって共に生きてゆくのか? 


SocialSalonは、これからも知り、考える“きっかけ”となる場で在りたいと思います。



ゲストのお二人、参加者の皆さん、本当に有難うございました! 


【オススメ情報】 

ゲストのお二人が発信されている情報等、是非今後もgetしてみてください^^! 


▼ゲスト・宇佐照代さんの営まれているアイヌ料理のお店「ハルコロ」 https://twitter.com/harukor_ookubo



▼ゲスト・佐藤隆之さんの映画「カピウとアパッポ〜アイヌの姉妹の物語〜」公式サイト

https://www.kapiapa-movie.com/


◆次回予告 

SocialSalon オンラインvol.7 

“子育て”について、本気出して考えてみる! 

2021年2月27日(土)14:00〜17:00 



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