こんにちは。事務局の深山です。
3月からIVUSAの会員同士の交流の場として、クロスカフェというオンラインイベントがオープンします。
記念すべき第1回目のテーマは、“気候変動(地球温暖化)”です。地球温暖化と聞いて、「台風の巨大化」や「洪水が増える」といった水害に関連することをイメージする方もいるかと思います。
そこで今回は、「温暖化と災害ってホントに関係あるの?」というテーマで書いてみました。
-そもそもなぜ日本は災害が多いのか?
「災害大国日本」というフレーズは、誰もが耳にしたことがあると思いますが、なぜ災害が多いのかご存じでしょうか?
代表的なものざっくりといえば、
①地震が起きる場所に日本がある
②台風の通り道に日本がある
③河川の勾配が急
ということがあげられます。
温暖化に関係なく、そもそも地理的条件が残念なので、災害が多いんですね。
(裏を返せば自然が豊かであり、自然の恵みを多く受けられる最高な環境とも言えます)
このあたりの話を詳しくすると、2,3本分の記事になってしまうので、興味のある方はぜひ災害ボランティア入門講座にご参加ください。※宣伝です(笑)
-雨の降り方が変わっている!?
いきなりですが、ここでクイズです!
日本の1年間に降る雨の量は、100年前に比べてどうなっているでしょうか?
A:降水量は増えている
B:降水量は変わっていない
C:降水量は減っている
正解は・・・
・・・
・・・
Bの「降水量は変わっていない」が、正解です。
日本の年降水量の偏差(気象庁)
1898年の統計開始以降、現在に至るまで、雨が多い年や少ない年はあるものの、長期的な傾向としては大きな変化はありません。
では、何が変わっているかというと、「雨の降り方」です。
全国[アメダス]1時間降水量50㎜以上の年間発生数(気象庁)
1時間降水量50㎜というのは傘をさしていてもずぶ濡れになるような、非常に強い雨ですが、
降水量50㎜以上のイメージ(気象庁)
統計期間の最初の10年間(1976~1985年)の平均年間発生回数が約226回に対し、最近10年間(2011~2020年)の平均年間発生回数は約334回と、約1.5倍に増加しています。※1
つまり、パラパラと降る雨や、しとしとと降る雨は減って、その分まとめてザーッと降ることが多くなってきたということです。
日本の河川は勾配が急なため、こういった雨が増えると洪水が起きやすくなってしまいます。
日本と世界の河川勾配の比較(国土交通省)
-台風の勢力も強くなる
台風にとっての栄養源は、海上の水蒸気です。
気温や海水温が高くなることで、空気中の水蒸気の量が増え、台風が成長しやすくなり、勢力が強くなります。
2019年に発生した房総半島台風(台風15号)、東日本台風(台風19号)は、皆さんにとっても記憶に新しいと思いますが、温暖化が進んで気温が高くなると、ああいった甚大な被害をもたらす台風のリスクが高まると言われています。
もし、このまま温暖化が進んでしまうとどうなるのか・・・
毎年のように全国で起きる災害。少しでも被害を減らすために、どうすればいいか。
一人の行動は微力かもしれませんが、みんなで行動すれば、それはきっと大きな変化になります。
私たちの生活を守るために、できることはないか、クロスカフェで一緒に話してみませんか?
※1:これらの変化には地球温暖化の影響の可能性はありますが、アメダスの観測期間は45年程度と比較的短いことから、地球温暖化との関連性をより確実に評価するためには今後のさらなるデータの蓄積が必要とされています。
この記事を書いた人
IVUSA危機対応研究所 主任研究員 深山 恭介
IVUSA17期卒。関西事務所勤務。 災害救援活動、ロジスティックス、危機対応講習を担当。 プロジェクトでは阿蘇海環境づくり活動、雪原カーニバルなかさと協働活動、インド生活支援活動を担当。
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