こんにちは。事務局の伊藤です。
IVUSAでも気候変動(地球温暖化)に力を入れていきそうな雰囲気になってきたので、この問題について連載させていただくことにしました。
■まつりだワッショイ
「気候変動」や「温暖化」は皆さんも聞いたことあると思いますが、「カーボンニュートラルって何?」という人も多いでしょう。
菅義偉首相は昨年10月26日に国会の所信表明演説で、国内の温室効果ガスの排出を2050年までに「実質ゼロ」とする方針を表明しました。
人間は二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスを出さずに生きていくことはできませんが、出す量を削減しつつ、森林吸収や排出権取引(これは難しい話なので改めて)で差し引きゼロになった状態が「カーボンニュートラル」です。
政府はこれまで「2050年までに温室効果ガス80%削減」としてきましたが、明確な年限を示した上でゼロと言い切ったので大きなインパクトがありました。
ちなみに今年初めの所信表明演説でも菅首相は改めて「カーボンニュートラル」を表明。現在、省庁・経済界あげての「カーボンニュートラルまつり」状態になっています。
■その時、私も京都にいた
1997年、皆さんもたぶん知っているであろう「京都議定書」が成立しました。先進国が2008年から2012年の間に、1990年比で約5%削減するという気候変動分野における歴史上初の国際的ルールです。
私はもともと農学部の林学科で植林や砂漠化防止を学んでいたので、気候変動の問題にはずっと関心があり、京都議定書が締結された京都国際会館に見物しに行きました。
ちょっとマニアックな話になりますが、気候変動枠組条約というものがあり、これを批准している国々が集まって毎年会議をしているのですが、これをCOP(Conference of the Parties=締約国会議)と言います。第3回COPで決まったのが京都議定書です。ちなみに、京都議定書の後継となる「パリ協定」は、2015年の第21回目のCOPで決まりました。
京都国際会館には展示スペースがあり、COP3で決議された木槌なんかも見ることができます。コロナが終息したらぜひ皆さんも行ってみたらどうでしょう。京都市の北の方で紅葉がきれいです。
https://www.pref.kyoto.jp/earth-kyoto/about/
今は、COPにあわせて様々なサイドイベントが行われ、市民参加型のものもたくさんありますが、その当時はほとんどありませんでした(私が知らなかっただけかもしれません。当時インターネットは普及していませんでしたから)。
しかし、この問題に対する危機感と熱気は伝わってきました。まだ若かった私も非常に興奮したのを覚えています。
■あがったり、さがったり
ただ残念ながら、その後気候変動に関して世界が足並みを揃えて取り組んできたわけではありません。何回も気候変動のブームが起こり、その反動で揺れ戻しがありました。
特にこの数年は、スウェーデンの高校生グレタ・トゥーンベリさんが始めた若者中心の運動が大きな注目と称賛を受ける一方、凄まじいバッシングの嵐も(ネットを中心に)吹き荒れました。今、この問題は社会を分断しかねない要素をたくさん含んでいます。
ということで、何回かに分けてこの問題について紹介・解説していきたいと思います。
また、2月・3月で気候変動をテーマにしたワークショップも多数開催するので、ぜひ参加してみてください。
この記事を書いた人
理事・事務局員 伊藤 章
IVUSAの中では管理業務一般と、広報や社会理解学習のプログラム作りをする係。最近は、海ゴミ問題のキャンペーン「Youth for the Blue」も担当
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