まにぼうvol.003 家具転倒防止の大切さ 【Youth for the Resilience】


三浦「家屋の耐震と同じく家具の転倒防止の大切さも叫ばれていますが、ちょっと甘く見ているところもありますよね。家がつぶれたら?はやばいと感じますけど、家具が倒れたら?は大丈夫な気がするというか」


宮﨑「2018年に起きた大阪府北部地震は、震度6弱と決して激甚な揺れではなかったけど、関連死含めて6名の方がなくなったでしょ」


三浦「小学生が通学途中、ブロック塀の下敷きになって亡くなる痛ましい被害が出ましたね」


宮﨑「通学路だったこともあり、事前に危険に気づき除いておけなかったことは本当に悔やまれることだね。これをきっかけに全国の古いブロック塀などの見直しや、改修費用の補助制度など、犠牲者が出て初めて進んだという皮肉な結果だね」


三浦「ただ、マスコミ報道がそこに偏ってしまったため、他の犠牲者の亡くなった原因があまり知られていないですよね。家具が凶器になった事実を」


宮﨑「その通り。犠牲者の半分にあたる3名の方は本棚の下敷き、タンスの下敷き、落下してきた書籍の生き埋め。家屋は無事にもかかわらず、室内の危険に命を奪われたんだ」


三浦「震度6弱でもですね。これが6強、7だったらとんでもない被害が起きたということですね」


宮崎「そうならないように、せめて無防備になる寝る場所と、生活習慣の中で長く過ごす場所、例えばリビングや書斎など、家具の転倒防止策にまず取り組んでほしい。」


三浦「家具と壁をL字金具やベルト式で固定するのがベストと聞きますが、賃貸だと壁に穴をあけるの躊躇しますよね」


宮﨑「原状回復義務との関係だね。港区が区営住宅の転倒防止措置に対する原状回復義務免除という取り組みを始めたんだけど、今後エアコンのネジ穴と同じように全国的に免除扱いになるといいのだけど」


三浦「あとは転倒防止器具って、単純にスタイリッシュじゃないなと」


宮﨑「スタイリッシュにこだわるなら、家具はすべて造り付けにせい!って感じですが、賃貸の場合はね、デザインと機能が両立する商品の開発を待つしかないね。ただ、家具の下に敷くタイプ、壁に吸着させるタイプ、耐震マットタイプと、目立たないという商品はあるから、まずは移行期間と割り切って取り組んで欲しい」


三浦「自分で取り付けられる器具は、つけ方も気を付けないとだめですよね」


宮﨑「そうだね、突っ張り棒タイプなんかは、そもそも天井の状態によっては効果が得られないこともあるし、吸着タイプは壁の材質によるし、ちゃんと調べてから購入しないといけないね」


三浦「そういうこともハードルを上げる原因かもしれませんね」


宮﨑「なるほどね。では、まずは重たいモノ・割れやすいモノは高いところに置かないようにする。耐震ラッチのついていない食器棚などは滑り止めシートを敷く、大きい食器から小さい食器とバランスよく重ねておく、もし家具が倒れてもドアや脱出経路をふさぐ方向に倒れてこない場所に模様替えしておく。これならどう?」


三浦「これなら、今日からでもできそうですね。室内の危険の芽を摘んでいる部屋がおしゃれなんだ、という文化が広まるといいですね」




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宮﨑 猛志 (Twitterはこちら)

地域密着型災害救援家


北海道南西沖地震以降の国内、国外の災害現場において救援・復旧・復興活動を行うNPO法人国際ボランティア学生協会理事。
昨年度までに、33都道府県86市区町村、計233回の活動を行い、延べ11,120人の若い力で被災地での家屋の片づけや泥の撤去、避難所支援などを実施。
平時には、地域防災や危機対応に関する講演やワークショップの運営、応急救命講習の普及に努めている。
国士舘大学防災・救急救助総合研究所非常勤研究員、世田谷区防災会議専門部会員、ちよだボランティアセンター運営委員、せたがや防災NPOアクション代表、IVUSA危機対応研究所所長、その他災害VC運営委員、災害NPOネットワークメンバー等 



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