▶災害におけるメディアの力
三浦「阪神・淡路大震災と聞くとやはりイメージするのは”ボランティア元年”です。今でこそ災害ボランティアは一般的ですが、その走りとなった災害がこの阪神・淡路大震災だったということですね」
宮さん「そうだね、一つには被災地の状況がリアルタイムでテレビから流れてきて、全国的に関心を集めていたこと。もう一つは学園都市である京都や大阪などが被災した神戸に近く、ボランティアに参加するための距離的なハードルも低かったことが多くの若者が被災地に向かった理由としてはあるのかな。 もっと詳しく話をすれば色々な背景や要因もあるんだけどね」
三浦「たしかに、被災地からの報道は感化されるものがありますもんね。東日本大震災の時も、避難所を始めとした被災地からの中継をよく目にしました。その一方で、メディアと被災された方々との間でトラブルになったという話も聞きます。阪神・淡路大震災の時もそのようなことはあったんですか?」
宮さん「そうだね。当時からメディアの報道の姿勢については色々なトラブルや指摘もあったね。もちろん、被災地の状況を報道することは是々非々の話だけど、一つどうにかならないかなと思ってることがあるんだよね」
三浦「どんなことですか?」
宮さん「地震災害の場合、建物の倒壊や家具の転倒で脱出ができなくなったり生き埋めになったりする人が出てきてしまうよね。その人達を救出しようと探す人と、助けを呼ぶ人にとって、一番の障害って被災地の現状を国民に伝えようとする空撮ヘリの音や緊急車両のサイレンなんだよね。海外の地震災害の時にはサイレントタイムと呼ばれる、”一定の時間救助活動に支障をきたすような音(ヘリや重機の使用)を止めて救出活動に集中する時間”を取っているんだよ。これはぜひ日本でも文化として根付いてほしいことの一つだね」
三浦「それは知らなかったです。メディアを通じて被災地の状況を知りたい自分たちにとっては、現地の様子を報道されることに意味を感じますが、その反面人の命に関わる影響が出ていることは理解しておかなければならないことですね」
▶平時における顔の見えないつながり
三浦「そう言えば、神戸というと外国の方々も多くいらっしゃるようなイメージがあります。当時もそういった方々のコミュニティってあったんですか?」
宮さん「あったあった。例えば、教会をはじめとする宗教コミュニティや施設が中心となって被災者の支援を積極的にやっていた印象だね。IVUSAが三木の救援物資備蓄基地の運営をしていたでしょう。そこから物資を教会に届けて、教会で地域の方々に対して物資の配布会を開いたりということもしていたね」
三浦「避難所となった小学校や中学校でなく、コミュニティを中心とした支援も展開されていたんですね」
宮さん「神戸は街場だから、地域のコミュニティっていうのが比較て薄かった印象があるね。避難所でも助けを待つだけの方々は多かったね。それに比べて在住・在留外国人の方々の方がコミュニティを持っており、避難生活時にはそれを活かして、他に困っている人を助けるような場面も何度か見たね。炊き出しをしに来た人たちが皆外国の方ということもあったね」
三浦「よくご近所同士の付き合いが大事と言われることもありますが、現代においては、地域でそういった関係性を築いていくのは難しい面もありますね。ただ、SNSを中心として色々な繋がりを作れたりもしますから、もしもの時に自分の身を守るという意味でも、オンライン、オフライン関わらず積極的に他者とつながりを作っておく努力は必要かもしれませんね」
宮さん「今の時代は”縁”の形が数多くあるからね。ご近所でのつながりやボランティアを頼るつながり、SNSを介したつながり。これからの防災の取り組みにおいては、非常時に助け合いに繋がる”平時における顔の見えないつながり”も大切な時代ということだね」
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▶『Youth for the Resilience』とは
東日本大震災から10年となる今、私たち若者が自らの大切なものを守るための「備え」と「行動」を身につけることを目的とした「若者の災害対応力向上キャンペーン」です!
「#Y4R」
▶『ゆるぼう(ゆる防災)』とは
Y4Rキャンペーンの取り組みの一つで、 「調べれば分かるけど、そこまでじゃない話」をコンセプトに、事務局の宮さんと三浦が防災・減災に関する様々なテーマについて話し合うシリーズです!
今後も「防災袋に入れておくべきものは?」「避難生活時に気をつけるべきことは?」などなどのテーマを予定しています!
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この災害対応力レクチャーでは、IVUSA職員の宮﨑が、実際にあなたが暮らす地域や居住環境で必要な災害への備え、被災時行動をレクチャーします!
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事務局 三浦 慎爾
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