組織マネジメント入門Vol.006 コロナ禍の“しんどい”を乗り越えよう ~解決策は「 」にある?~

コロナ禍によりコミュニケーションがオンライン化して半年。 

誰も必勝法が分からない中、どうやっていつもの日常をこの環境に適応させるか、ということに、IVUSAのマネジメント層も試行錯誤を重ねてきたことと思います。

(まだ終わっていませんが、本当におつかれさまでした(´;ω;`))


そうした中で、オンラインだからこそできること、が見つかったと同時に、対面でのやり方をそのままオンライン化したことで失われてしまったものも… 


 「日常に戻れば!」

 「会うことができれば!」 

とは言っても、Withコロナ。この状況が劇的に変化することは見込みづらいところがありますから、ニューノーマル(新しい生活様式)に合わせたより良い方法を見つけて、“しんどい”を乗り越え、より良い今としていくために、問題の在処を整理してみましょう。 

何によって何が起きているかが分かれば、解決策も考えられるはず!! 



■なくなっても気づくのに時間がかかるほどに些細で、それでいて大切だったもの

会議や会合の「ため」にZoomをつなぎ… 

用事がある「から」LINEメッセージを入れ… 

用件が終わったら退出/切断ボタンを押す。 


こうした日々の中では、Beforeコロナであれば用件の“ついで”に“偶然”生まれていたコミュニケーションがなくなりがちです。 

オンライン化したコミュニケーションでは、すぐその場から退出できることや、一人ずつしか話せないという仕様上の特性などにより、高度に合理化されがちなような…。そして、明確な意図や目的に基づいたもののみが生き残り、無駄は省かれていく。 “偶然”が生まれない世界では、自由なコミュニケーションができるような“余白”が奪い去られてしまいます。 


そうした環境下では、“ついで”に“偶然”生まれていたコミュニケーションのキャッチボールを、“意図的に”始めなければなりませんから、その一歩を踏み出すには、とても勇気がいるでしょう。  


ちなみに、IVUSAだけではなく世界的に少なくなっていることから、この“雑談”という一見無駄なものの価値が見直されてきています。 


▼新型コロナで見直される「雑談効果」(時事ドットコムニュース) 



■“雑談”にはどんな意味があっただろう

移動中に。会議や会合終わりの隙間時間に。キャンパスで偶然会ったときに。ごはんを一緒に食べながら。 日常の中の何気ない瞬間に生まれていたちょっとした会話で生まれていたものは、例えばこんなものではないでしょうか。 



では、雑談というコミュニケーションの余白が少なくなったことで何が起きているかというと、こんなことではないでしょうか。 


担当分野上、様々な運営層学生の話を聞きますが、上記はたんなる推測ではなく実際に起きている出来事です。タラレバを言ってもどうしようもありませんが、「もし、Beforeコロナだったら」起きていないゴタゴタやスレ違い、メンタル不調はたくさんあるのではないかと感じます。 



■“偶然”を待たずに“必然”を生んでいくこと 

このような状況下において私たちはどのようなことに気を付けて組織運営をしていくべきか。 それは、意図的な“余白”をつくっていくことではないでしょうか。 例えばこんな工夫をしているところもあります。  



①ブレイクアウトルームで必然的につくる偶然の出会いと会話 

市ケ谷クラブでは毎回クラブ会の最後に交流会の場を設けているそうです。 交流会ではZoomのブレイクアウトルーム機能を活用して「新たな出会い」になるような組み合わせでグループに分け、話題提供をしながら、出会いと会話が生まれるような仕掛けをつくっているとのこと。 



②必然的につくるインカレ交流で気づきを生み、学びを深める 

白山クラブでは8月のクラブ会で他クラブメンバーも参加する会をしたそうです。 いつもであればあった夏休み中のプロジェクト。社会問題について考え、動く機会であったとともに、他大学の学生と知り合い、価値観を交換して、違う他者を知り、気づきや学びを得るような場にもなっていました。 その空白を補完すべく、プログラムも工夫しながら、インカレ交流をしつつ、学びや気づきにもなるような場となったようです。 



③議事ではなく「思っていること」「感じていること」を話す場をつくってチームになる 

特に運営層同士向けですね。 最初はめんどくさいし必要性を感じないかもしれませんが、ちょっとの時間ずつでもいいので、「理解し合う」ための対話の場は意図的に設けた方が良いです。月に一回リモート飲みをする、でも良し。ランチ会をする、でも良し。 あくまで「理解し合う」ための場であることを皆が心に留めて、話し、聴くことができるようにすることがポイント。 


 

■さいごに 

わたしたちにとって人間関係は諸刃の剣。 それにより苦しめられることもあるし、救われることもあるものです。 


ちなみにこれは感覚、経験値的な話であるだけではなく、これまで心理学分野等でされてきた統計的研究でも通説となっていること。人が困難を乗り越えるには「周囲の助け」というのはとても重要なファクターとなります。  


コロナ禍という困難の中にいる今。そうした中だからこそ、放っておけば失ってしまう“コミュニケーションの余白”をつくることで、みんなで日々を充実させていきましょう。 




この記事を書いた人 

IVUSA事務局大坪英里奈 

IVUSA17期卒で関西事務所勤務。子どもの教育支援事業や新潟県関川村・三重県熊野市での地域活性化活動を担当。プロジェクト・組織マネジメントでの業務分野としては“アド”をこっそり担当しつつ、学生組織運営のサポートもしている。実は、トレーニングを受けたカウンセラーだったりする。 (写真:プロジェクト帰りに学生たちがプレゼントしてくれたバースデーケーキとともに) 

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