湯田の旅路2019年夏その1〜内モンゴルで結婚式参列編〜  

みなさん、こんにちは。事務局非常勤の湯田です。


今年の夏、偶然、海外での友人の結婚式に2件参列することになり、ちょうど、通訳として同行しているフィリピンのプロジェクトの時期も重なったので、下記のような、まさかのユーラシア大陸ほぼ横断の旅をすることとなりました。(オレンジの矢印参照) 

せっかくなので、旅の雰囲気やスパイスを少しずつ、ここでみなさんにもお伝え出来たら、と思います。


旅程は、下記のような形で、8月22日〜9月22日の1ヶ月間。 

内モンゴル自治区(中国)にて友人の結婚式参列~IVUSAフィリピンプロジェクト同行~ジョージア~スイスを経て、イタリアにて友人の結婚式に参加~ポーランドにてアウシュビッツ収容所跡見学~ドイツ~イタリアから帰国  




今回は、初めの滞在地、内モンゴル自治区で友人の結婚式に参列した話について書きたいと思います。  


-内モンゴルって、どんなとこ!? 

そもそも、内モンゴルとはどこか!?ということなのですが、場所は下記地図のように、中国北部で、モンゴルと接した地域です。(IVUSAのプロジェクトの中でも、中国緑化活動は、内モンゴル自治区内での活動でしすね!) 

 


「内モンゴルに行ってくる!」と言うと、 「モンゴル行くんだー!いいなぁ!」とよく言われましたが、ここは、中国の中の自治区です。

“自治区”とは、日本ではあまり馴染みのない言葉ですが、 デジタル大辞泉によると、

中国で、少数民族の自治を保障するために設けられた行政区。内モンゴル自治区・広西チワン族自治区・新疆 (しんきょう) ウイグル自治区・チベット自治区・寧夏 (ねいか) 回族自治区の5自治区がある。

とのこと。


中国といえば、“○○省”と言う、様々な“省”と呼ばれる行政単位で成り立っていますが、それらと同レベルの行政区だそうです。 具体的に、“自治の保障”の例で、分かり易いものは、言語。街の中の言語は、ほとんどすべて、中国語とモンゴル語の二重表記になっています。 


-内モンゴルの結婚式ってどんな感じ?! 

さて、今回の滞在の主な目的、結婚式への参列。私とっては、初の海外挙式への参加。そして、海外への旅が好きでしたが、実は、“中国”への旅は、今回が初めて。初めて知る文化にたくさん出会いました。


◉宴会、宴会、そして宴会。 

日本だと、「結婚式」「披露宴」「二次会」などはっきり区切られることが多いですが、こちらだと、いわゆる日本でいう「披露宴」的なイベントの前後も宴が続きます。近い親戚が集まるもの、遠い親戚も集まるもの、前夜祭、仕事関連の方も招くもの…私たちが滞在した5日間、ほぼ毎日宴が開催されました。 


日本でも有名な、“パイチュー”と呼ばれる、アルコール38度くらいのお酒も、宴会のたびに出てきます。


そして、円卓にはたくさんの料理が。基本的なルールとしては、食べ切らなくて良いことが前提(食べ切ると、逆に、「足りなかった」という意思表示になってしまうそうです)。 様々な種類のものをいただきましたが、お祝いの席で一番衝撃的だった食べ物は、“羊の丸焼き”。(写真は、あえてと遠目のものを選んでいます…。) 

ヤギの内臓のスープやチーズも、名物。 


内陸地帯で海と接していないため、魚は貴重な食べ物ですが、お祝いの席なので、頂くことが出来ました。 




普段の感覚で見ると、お皿に大量に残った料理たちを見て、申し訳無くなってしまいますが…食べ切ることは、とても不可能な量です…。


 ◉かつてのモンゴル帝国の繁栄を感じる 内モンゴル自治区―

今は、中国だけれど、民族としては、“モンゴル民族”。 

まずは、色とりどりの衣装。写真撮影の時・前夜祭・披露宴…それぞれ、違う衣装を着ていて、どれも美しい装飾品。奥さんの帽子の高さが高ければ高いほど、旦那さんの地位・名誉の高さを表すんだとか…。 


披露宴では、正面におられる、チンギスハン像。日本でも、日本史の資料集でおなじみのお顔ではありますが、モンゴル帝国の初代皇帝です。


今回、幸運にも乗馬体験をさせていただいたのですが、そのロケーションが、こちら。チンギスハン、その孫フビライハン…そこから代々続く家系の独りひとりの顔を掘った石像に向けて、馬で歩く…草原の風と共に、歴史を感じました。 

 



宿泊は、大草原のツーリストキャンプ。ゲルを再現した宿泊施設です。 


披露宴当日の朝は、朝から仏教の施設での儀式、そして披露宴へと移ります。参列者である私たちも、モンゴルの民族衣装を着る機会をいただきました。 


この大草原での写真撮影。この、一面見渡す限りの草原の中で、清々しい気持ちになるのはもちろんのこと、幸せそうな新郎新婦を見ていると、なんだか、かつて自分の祖先が一帯を支配したこの場所で結婚式を挙げることに、“歴史を受け止めながら今を祝い、新たな生活に向かう”という大きな意味を感じました。






学生時代に日本史の授業で、鎌倉時代の“元冦”について習ったし、モンゴル帝資料集でチンギスハン、フビライハンの写真を見たことある!! …程度の知識で臨みましたが、今回、内モンゴルの草原地帯へ訪れる機会があり、その雄大な自然の中で、様々なモンゴル民族の文化に触れ、教科書で見聞きした知識ではなく、ほんの一部ではあるけれども、“生きた文化”を体感させてもらった気がしています。  


お勉強、丸暗記、というイメージが強いような気がする“歴史”ですが、歴史とは、その人がその人として生きることに繋がる大きな流れなのではないかなぁ…と、広大な大地と雄大な自然の中、感じさせてもらった旅となりました。 


▼もっと知りたい人のための参考文献 内モンゴルを知るための60章


この記事を書いた人


湯田 舞 IVUSA非常勤スタッフ

IVUSAでは、フィリピンツアー通訳兼コーディネーター/減災プログラム化/社会課題を自分ゴトとして考える場”Social Salon in IVUSA”をやっています。IVUSAのOGではなく、大学時代は少林寺拳法ばっかりやってました。宜しくお願いします



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