「子どもの教育支援事業」を紹介します!~PeeRプログラムとは・未来サポートハウス事業紹介~

IVUSAは現在「国際協力」「環境保護」「地域活性化」「災害救援」「子どもの教育支援」の5つの分野で事業を行っています。しかし、「子どもの教育支援」は、重点的な事業となったのが比較的最近ということもあり、他と比べてイマイチ知名度が引いようです…。

そこで今回は「子どもの教育支援」の事業について、最近始まった活動を中心としてご紹介します! 



 ■現在進行中!PeeRプログラムとは? 

大学生ボランティアと子どもたちが「上下」ではなく「仲間」のような(Peer※)関係性の中で、お互いに学びや成長につながる場を作ることを目指した、「PeeRプログラム」という活動がスタートしました。


このプログラムでは、子どもを取り巻く社会問題・課題への対応力を上げるべく体系化に取り組んでいます。“PeeR”という名称は、「Passion」「Empowerment」「Enhance a feeling of pride」「Risk management」の頭文字、そして仲間・対等者などの意味を持つ英単語から取りました。 


上下関係にもつながりがちな「ボランティアをする側と受ける側」「教える側と教えられる側」といった立ち位置ではなく、ちょっと先輩とちょっと後輩の一個人同士として子ども個人に寄り添い、必要な支援をするような事業を目指しています。

また、ちょっと先輩だからこそ、子どもたちのロールモデル(時には反面教師となることもあるかもしれませんが・・・)になるとともに、大学生たちも子どもたちから多くを学ぶことができるようにという想いが込められています。 



■PeeRプログラムの事業分野と具体的な事業

子どもたちの成長段階に応じて、様々なプログラムを提供しています。 


“子どもたちのサポートをし、子どもたちに学びながら、学生ボランティアも大きく成長していく”ことがこの事業の醍醐味です。 


「子どもと遊ぶのが好きだから」から始まる人も多いこの分野。でも、それだけで終わるのではなく、社会的な背景を学び、目の前の子どもたち一人ひとりと関わる中で、「自分たちが同じ境遇だったら」「もしも自分たちが同じ境遇になったら(その親になったら)」と、自分ごととして捉えることが重要です。


また、「同じ未来世代である自分たちだからできること」を考え、子どもを取り巻く問題を引き起こしている社会に対して少しずつアプローチをしています。




■実際にどんなことをしているの?~『未来サポートハウス事業』の場合~ 

今回は、PeeRプログラムの中から、「未来サポートハウス事業」について紹介します。


○未来サポートハウス事業・・・生活困窮世帯の子ども向け支援事業


<実施自治体>京都府京田辺市、滋賀県大津市、大阪府泉大津市 

<事業実績>
京田辺市 毎週2回、2014年9月から2019年3月の4.5ヵ年で、375回、計582.25時間、延べ1,756人の小中学生に対して、延べ1,374人の大学生が学習支援を行いました。 

大津市 毎週2箇所合わせて週2回、2017年5月1日から2019年2月の2ヵ年で、106回、計212時間、延べ534人の中学生に対して、延べ600人の大学生が学習支援を行いました。 


○未来サポートハウス事業とは

『未来サポートハウス』という名称には、子どもたち自身が将来を考えたり、現状を変える力を養ったりできるような“未来をサポートする”場であること。また、子どもたちも関わる学生も家族のようなあたたかな関係性を結ぶ場であり、一方的に「教える」だけにはとどまらない、子どもたちの第三の居場所=家とするという想いを込めています。

日本では生活保護世帯で育った子どもの約4分の1が、大人になってから再び受給者となるとも言われており、育った家庭環境が世代をこえて連鎖する「貧困の連鎖」が問題となっています。その背景には、生活困窮家庭の子どもたちが社会的に孤立しやすいこと、学習機会も含む「機会の貧困」が起きやすいことなどがあります。

この事業では、そうした状況にいる子どもたちに対し、家庭と学校に次ぐ第三の居場所を提供するとともに、学習の場、様々な体験の場、自分の未来を考えるキャリア教育の場を提供するプログラムを通して、子どもたちの未来を広げ、つなげていくことを目指しています。 


○IVUSAの支援事業の特徴とは

試行錯誤しながら5年間実施をしてきた学習支援分野での「IVUSAだから!」というポイントを、3つの“ない”から紹介します。 


①プロの教師ではない

学習支援だけが目的であれば教員プロボノや教員OBOGの方が効果的とも考えられます。しかし、生活困窮世帯の児童・生徒に対する学習支援事業では、学習支援に加えて、子どもの状況に合わせて「居場所」づくりを目指すことも大きな目的となります。居場所となれる近い関係性を築けることと、一歩先の世代としてのロールモデルとなり得ることが大学生ボランティアの強みです。 


②単なる大学サークル・普通の大学生ではない 

一般的な大学サークルと違い、サークル顧問以外にも専従職員のサポートを受けながら、学生自身で日常的に団体運営やボランティア事業展開をしています。組織運営を学生自身がしていることもあり、スタッフ義務履行等管理面においてサークルより格段に安定した運用が可能といえます。 

また、当協会の学生たちは1年次から継続して団体運営やボランティア活動に関わる者が過半数。そうした中で身に付いたソーシャルスキルと、それを支える定期的な研修受講により、一人の大人として事業に関わることができる学生を育てています。


③アルバイトではない

事業実施に関わる拘束時間に対するものとして報償金を出してはいますが、あくまでもアルバイトではなくボランティアであるというスタンスをとっています。これは、取り組みへの自主性とその源である動機付けが、賃金という直接的・物質的なものではなく、自己効力感や自己成長といった内的なものを強調しているということです。また、それは、「いかに楽をするか」でなく「いかにより良くするか」という主体的な関わり方に向けることができるものです。  



■さいごに 子どもの教育支援事業に関わる学生ボランティアの皆さんへ 

今、あなたが感じる“当たり前”のものは、決して当たり前ではありません。  

「生まれた家庭があったから…」 

「親御さんがお仕事をがんばったから…」 

「家庭に不幸が起きなかったから…」


もしかすると、ほんの少しの偶然で違う未来になっていたかもしれません。

いま、日本はさまざまな課題を抱えています。

それを生んでいる社会を変えられない限り、未来は変わりません。  

自分の未来を、未来の社会を変えられる若者だからこそ。 

自分たちから未来を握る社会を変えるということを、ぜひ活動を通して考えてみてください。 

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