Social Salon in IVUSA Vol.002 <テーマ:児童養護>

2019年度からの新たな取り組みとして始まった、NPO法人Social Salonとコラボして、社会課題について身近に知り、感じ、考えるイベント、“Social Salon in IVUSA”


第2回のテーマは、“児童養護”。児童養護施設出身のゲストスピーカー・末吉尚仁(すえよし なおひと)さんのお話をお聞きしながら、社会的養護の現状や課題、日本社会の未来について考えました。



5月26日に行われたイベントには、日曜日の午前中にも関わらず、11名の学生、4名の社会人が参加しました。 参加者全員の自己紹介のあと、ゲストスピーカー末吉さんからお話いただきました。

末吉さんは、小学校低学年より児童養護施設で過ごし、大学生活4年間は、施設で職員という立場で過ごされていました。その後、航空系の商社勤務を経て、現在は金融機関にて働かれています。 



まず、最初のテーマは社会的養護について。何らかの事情で親元を離れなければならない児童(要保護児童)の人数や行き先、そこに至るまでの流れなどをお聞きしました。 

 


続いて、里親制度のお話。 

・現在日本では、里親よりも児童養護施設へ入所する児童の方が多いこと

・諸外国に比べても里親への委託比率は少ないこと

・里親制度の普及における課題

をお聞きしながら、“里親制度の普及”という日本の一つの課題について、データと共に学びました。


そこから、児童養護施設について伺いました。児童養護施設についての概要と末吉さんの実体験に基づく、児童養護施設の1日の流れについて。また、児童養護施設に行く要因についてのデータから、昨今ニュースでも頻繁に見かけるようになった「虐待」が要因の中でも多くの割合を占めていることを学びました。 

虐待と一口で言っても、殴る、蹴るなど身体的行為を通した「身体的虐待」、家に閉じ込める、放置などの「ネグレクト」、性的行為を伴う「性的虐待」、言葉による脅しや目の前で暴力を振るうなどの「心理的虐待」と、様々な種類があり、それらが複合的に起きることも少なくありません。 そして、年間100人前後の子どもが、虐待により亡くなっているという事実があります。


そして最後には、当事者としてのエピソードと共に、

自身のお話を通して、社会的養護の事実をまず知ること、興味を持つことが重要であり、多くの課題がありながらも、よりよい未来に向けてどうしてゆけばよいか共に考えていきたいというメッセージがありました。

続いて行ったのは、ケースワーク。

末吉さんのお話の中にもあった、児童養護施設出身者の将来についての課題である、

・大学への進学率が低いこと

・(全高卒者に比べ)就職率が高い の2点に関して、

「なぜ起きると思うか?」「どうすれば良いと思うか?」を、グループに分かれ、話し合いました。 

 


 最後に、対話TIME。  

・どんな社会になったら良いと思うか 

・今日の話を踏まえ、“あなた”はどんなことが出来そうか

について、グループに分かれて話し合いました。


悩みながらも、各グループさまざまな意見が出ました。
参加者からは、

「社会的養護の概要については学校で学んだことがあったが、当事者の方のお話を聞くのは初めてで、貴重な機会だった」

「問いについて考えることは難しいけれど、自分なりに考えたことを話したり、他の人の意見を聞いたりする中で、様々な気づきがあるので、これからも考え続けたい」

などの感想や意見が上がりました。 

 


本イベントは、IVUSA会員だけでなく、外部の方の参加も受け付けています。 Social Salon in IVUSAは、学生と社会人が、IVUSAの理念でもある、”共に生きる社会”に向けて対話を行う機会でもあります。 これからも月に一度開催して行きますので、ご興味をお持ちの方、是非ご参加ご検討ください。 



◆次回予告 6月23日(日) 10:00~13:00 テーマ”障害”  

お申し込みは、下記Facebookイベントページの参加ボタンより受付中です!

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