大学を卒業し、都市部でサラリーマンとして働く人が「ふつう」の今、地方で第一次産業や地域活性化にかかわるという「オルタナティブ」な生き方をしているIVUSAのOB・OGを紹介するこのシリーズ。5人目は青森市でコーヒー店COFFEEMAN goodを経営する橋本 雄大さん・有里さん夫妻です(雄大さん20期拓殖大学出身、有里さん21期法政大学出身)。
Q.学生時代はIVUSAでどんなことをされていたんですか?
有里さん:二人とも八王子エリア(昔は「エリア」という地域区分でした)だったので、いちょう祭りや「はちたま」(八王子多摩川清掃)にかかわっていました。一緒に活動した中でいちばん思い出に残っているのは2011年のバングラデシュでの活動(クリーンダッカ大作戦)です。その前にファンドレイジング部で企業協賛を集めていました。
初めて参加した海外プロジェクトである第3次カンボジア小学校建設にて
同じく初めて参加した海外プロジェクトのクリーンダッカ大作戦にて
拓大IVUSAとして初めて参加した紅陵祭、紅陵杯を獲得しました!
Q.コーヒー店を経営されるようになった経緯はどうだったんですか?
雄大さん:もともとコーヒーにそこまで興味があったわけでなくて、眠気覚ましくらいの感覚でした。(笑)
新卒は学習塾に勤めていたのですが、あんまりうまくいかなくて、精神的にも体力的にも結構大変でした。そんな時に、世田谷の三軒茶屋にある「カフェ オブスキュラ」というカフェでコーヒーを飲んだのですが、それが衝撃的でした。淹れてくれたバリスタの方は、なんと後で世界チャンピオンになったそうです。
その後、ドトールに転職してスペシャルティコーヒーの新規店で3年間ほど働きました。私は出身が青森なのですが、帰省していろいろな店を回っていたときに、たまたま入ったのが今の店です。店のオーナーさんは青森の方なのですが、ニューヨークや東京でカフェがコミュニティの憩いの場になっているのを見て始められたそうです。ただ青森ではバリスタの数も少なく、店を畳もうかと悩んでおられました。
そして、私がその店に行った次の日、わざわざ私が勤める横浜まで来て、店を任せたいというオファーをいただいたのです。
もちろん不安もあったのですが、飲食業界は慢性的な人手不足。3年やってみてダメでもまだ20代なので、再就職できるだろうと、行くことを決断しました。
有里さん:その時は結婚したばかりの時期で、その話は本当なのかと最初、疑いました。ちゃんと書類とか見せてもらった方がいいんじゃないかとアドバイスしましたね。(笑)
ただ、ちょうどその3月で仕事を辞めようと思っていて、青森も旅行で行って悪いイメージはなかったので一緒に行くことにしました。最初の2~3か月は、知り合いはいないし、人見知りでこれまで接客もやったことがないということもあって、実家に帰りたいと思っていました。
青森は結構都会?
Q.コーヒー店は今、どうですか?
雄大さん:店に来られる方は20~30代が多いですが、世代は幅広いです。
そんなに大きな店ではなく、メニューや看板も出していないのですが、Googleで検索されたり、雑誌で見たり、お客さんからの紹介だったりで、県外の方や海外の方もたくさん来られます。
コロナの前とかは、常連さんが観光客に話しかけたり、そのまま観光案内をしたりと、いろんなつながりが生まれていました。さらに地元のアーティストの方に店で展示会をしてもらったり、ボリビアのコーヒー生産者の方から話をお伺いする場を作ったりと、様々なイベントもやっています。街を歩いていると大抵何人かの常連さんに声を掛けてもらえるのもうれしいですね。
ペルーのコーヒー生産者、スーシーさんの農園風景。
品質を向上して安定した収入を得るために、乾燥室を一緒に作るプロジェクトを進めています。
ボリビアのコーヒー生産者、アンディさんの乾燥室。
昨年青森にも遊びにきてくれました!
ボリビア、標高4,000mの高地で約60種類のコーヒーをテイスティング!
生産者に味わいのフィードバックをして、品質向上に向けて一緒に話し合いました。
青森からコーヒー抽出日本一への挑戦!
Japan AeroPress Championshipに出場し、2018年は東北1位、日本3位。
2022年は日本2位に入賞しました。
有里さん:他にもIVUSAのOBが運営する龍ノ口りんご園とコラボして、オリジナルドリンクを提供しています。
詳しくは→ https://dragonapple.base.ec/
Q.今後はどんなお店にしていきたいですか?
雄大さん:二つあって、一つは、コーヒーの仕事に携わりたいと思う人が働ける場所を作りたいです(青森は少ない)。もう一つは、コーヒーの生産者とのつながりが密になっているので、よりコーヒーの生産者のこだわりとかを伝えていけるようなお店を目指しています。
もちろん多店舗展開も選択肢にはあるのですが、今はお店やコーヒーのクオリティを落とさないようにゆっくりと拡大していこうと考えています。
IVUSAの卒業生たちもよく遊びに来てくれます。
おかげさまでいくつかの雑誌で紹介していただきました。
Q.学生や他のOB・OGへのメッセージをお願いします。
有里さん:目の前のことを一生懸命することが大事だと思います。将来、自分のためになると思ったことでなくても、結果的に自分に返ってくることもあります。あと大学時代はいろんなところに行けます。私も学生時代に、IVUSAのプロジェクトでいろんなところに行ったので、青森に行くこともそんなに抵抗がありませんでした。
雄大さん:IVUSAで活動しているとつらい時やしんどいことも多いと思いますが、そう思えているならラッキーです。社会も同じであり、そのことを卒業する前に体験できるのが、学生時代IVUSAにいる価値だと思います。「もう無理!」と思ったそんなときは、ぜひコーヒーを飲みに来てください。
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