6月5日にOG・OBと大学やクラブの垣根を越えて気軽に交流する目的で行う卒業生企画 、「国際協力クロスカフェ」が開催されました!
IVUSAでは2020年2月のカンボジア教育支援活動以来、海外でのプロジェクトができていません。コロナ渦で現地の活動に行けない学生が多い中、経験者の声から国際協力の魅力を感じましょう!
クロスカフェに参加した広報部員が、卒業生5名の貴重なお話を伺いました。
パネルディスカッションだけでなく、現役学生との座談会の様子もお届けします!
~メンバー紹介~
〈コーディネーター〉團野勇太さん(草津クラブ25期)
〈パネリスト〉
① 成宮真子さん(板橋クラブ 26 期):カンボジア
② 宮城哲さん(草津クラブ 25 期):インド
③ 川島涼さん(砧クラブ 24 期):中国
④ 杉本悠太さん(市ヶ谷クラブ 23 期):ネパール
⑤ 三堀慎矢 さん(深草クラブ24期):フィリピン
〈サポート〉
⑥江角隆宏さん(深草クラブ25期)
~パネルディスカッション~
① 成宮真子さん(板橋クラブ 26 期):カンボジア担当
〈プロフィール〉
元クラブ役員。カンボジア年間チーム長。アドマネ、スタマネを務める。カンボジアでの活動は3回にわたり参加。
現在の職業:幼稚園の先生
子どもが好きで、高校生の時に見たドキュメンタリーでカンボジアをより深く知りたいと思って参加しました。カンボジアは貧富の差が激しく、都心部は現代的な外国の企業が立ち並ぶものの、農村部では牛の世話や家事などに時間を割かれて小学校に通えていない子どもも多いです。
IVUSAでは運動会や理科、体育などの普段習うことの難しい学習項目を一緒に学んだり、現地の生活環境を知るために、スラム街やゴミ山にも連れて行っていただりしました。参加した際は活動10 年目の節目の年であったため、大使館の方ともお話させていただきました。 子どもたちや先生方が2回目に行った際に顔を覚えてくれていたことが嬉しかったです。
この国際協力に参加したことで、私はカンボジアで生の英語に触れて、言葉が違う子どもたちでもジェスチャーやわかる単語のうち、重要な単語は何かを推論してコミュニケーションをとることで、子どもたちと意思疎通を図るどのようにすれば良いか、何を伝えようとしているのかというメッセージを読み取る推測の能力が身に付きました。
② 宮城哲さん(草津クラブ 25 期):インド担当
〈プロフィール〉
元クラブ役員でインドには3回渡航。 勉強会、当日作戦、ロジマネなどに携わる。
現在の職業:国家公務員として建築、行政等に携わる。
インドは3回とも別々の場所で活動しました。活動の際には学校建設のために砂を運んできたり、衛生教育をして現地の子どもたちにごみを拾う習慣を身に着ける意義を説いたりしました。
僕たちが行った際には現地の住民にもおもてなしの習慣が浸透しており、以前に被災した際に現地に来てくれた日本人から助け合いの精神を学んで、作業をしていると自然に手伝ってくれる人が現れ、良い習慣の伝播を実感しました。インドに向かったきっかけはここが一番大変な作業が多いところだと伺っていましたが、建築を学んでいることから現地の建築にも興味があり、自分にとって最もやりがいを感じられる活動になるのではないかと考えたことです。
当日は現地の新聞社や学生も多く集まり、にぎやかな活動になりました。 国によって異なる住宅建設の基礎や価値観の分野を学び、そこで得た知識や経験を応用して、今は国家レベルの行政視点の建築に応用しています。
③ 川島涼さん(砧クラブ 24 期):中国担当
〈プロフィール〉
元クラブ役員、中国の活動ではプロジェクトマネージャー。「中国(2回)」、 インドにも1回参加。テレビ関連で番組制作などをしている。
現在の職業:番組制作
参加の理由は全く行ったこともない国の文化に触れる経験を積んで、実際はどのような人が暮らしている国なのか自分の目で確かめたくなったためです。
植林活動を現地の学生と協力して行いましたが、インドやネパールの活動のように現地の達成すべき課題があってというわけではなく、政治的な対立も多い日本と中国の両国の学生が直接交流することでお互いの文化を知るという目的がありました。
活動は全体を通して和気あいあいとしており、移動手段は寝台列車でした。日本の学生と中国の学生の双方が出し物を用意しており、中国側はチャイナドレスや現地の歌、日本側は仮装などで迎えました。活動が終わり、お別れの時間になると両学生とも泣いて別れを悲しむ様子でお互いの親睦を深めるという目的は無事に達成されました。
マネージャーとして友好関係というあまり目に見えるゴールがない活動に参加するメンバーの一人ひとりの目標設定を促し、IVUSAという組織としてどのように関わってもらいたいかをマネジメントし、解決に近づくための効率的な手段があるかを模索する能力などを身に着けることができました。
④ 杉本悠太さん(市ヶ谷クラブ 23 期):ネパール担当
〈プロフィール〉
元クラブ長。ネパールの勉強会企画運営、フィリピンのロジマネなどを務める。
現在の職業:高速道路のETCシステム開発
自分はカンボジアの活動とネパールの活動のどちらに向かうか悩んでいましたが、ネパールは数年に一度しかない活動であるということを聞いてぜひ貴重な体験をさせていただきたいと思い参加しました。
ネパールはインドと中国の境目にある細長い国で、国土のほとんどがヒマラヤ山脈に囲まれています。そのため、活動に参加した際も1000m 以上の険しい山の村に向かうので、参加する際は高山病に気を付ける必要があります。
ここで暮らす場合、水や火が貴重であり、薪と水を運んでくる時間や家事に追われて学校で学ぶ機会も少ないため、こうした負担を少しでも減らすことを優先した結果、バイオガス燃料機を設置するための穴を掘るという支援を行いました。ドリルやシャベルを使用して、1週間半程かけて5つ~6つの穴を掘ることができました。
山の麓で活動も大変でしたが、村で飼っていた一番大きい豚一頭を丸焼きにして食べさせていただき、刺激的で貴重な体験も多かったです。
外国へ行くことの多い企業に勤めていることもあり、活動に参加して仕事に活かせたのは、スケジュール管理です。というのも、ネパールの活動はタイムスケジュールが現地の宗教的な行事に合わせて変動しやすいのです。活動では自分たちでやりたいことを決める場面が多かったため、そうした主体性を求められる場面での経験が外国の職場の研修に行くための予定設計や変更への柔軟な対応力等に活かされています。
⑤ 三堀慎矢さん (深草クラブ24期):フィリピン担当
〈プロフィール〉
フィリピンでの活動に3回参加、カナダ震災瓦礫回収隊の資金調達に携わり(新聞記事検索可能)、中国交流会にも参加。
現在の職業:システムエンジニア
2013年にフィリピンを襲った台風ヨランダは甚大な被害をもたらしました。被害を聞いて、IVUSAでも何かできないかと考え、募金やクラウドファンディングで活動資金を集めました。そして、防災や減災のあり方について、現地の学生や専門家と情報交換しました。
また、現地ではゴミをそのまま捨てる習慣があるため、ゴミを捨てないようにする環境教育や、清掃活動で集まったゴミを活用して花壇をつくる活動も行いました。
参加した主な理由は この活動はIVUSA の5本柱のうち環境保護と防災・災害救援と子どもの教育の3つが同時に学べる、貴重な活動だと感じたことです。
活動は1次~3次まで、ほぼ同じ場所で行われたため、成果もわかりやすく、未来の活動のために自分たちが後輩に残せるものも多いと感じたことも理由の一つです。
こうした活動に参加した経験は、今起こっている危機に際して本当に求められていることを客観的な情報源をもとに自分たちなりに推測し、そこにあるものを駆使して最大限に現場の要望に応える能力や、柔軟に予定を組み込む能力を身に付けることができました。
~座談会~
Q. 現役学生「現地で印象に残ったシーンはありますか?」
A. 成宮:2年で参加した学校建設です。コンクリートを手で混ぜながら暑い中必死に活動していたら、現地の国語教師の先生が最初は自分たちの生活を見て内心馬鹿にしているところもあるのではないかと不安でしたが、「君たちは人のために全力で活動できる子たちだと知ることができた」という感謝の言葉とともに、涙を流されていた姿がとても心に残っています。現地で汗水たらす支援は、募金とは全く違った価値があるのだと身をもって知りました。 (カンボジア)
宮城:自分は現地の高校生と将来の夢を語り合ったことです。様々な夢が語られるなかで、村の女の子が泣きながら「世界平和」を祈ったことを見て、日本では照れくさくて冗談半分に語られるような夢をこんなにも切に願う人がいるのだと軽いカルチャーショックを感じました。 (インド)
川島: 文化・宗教の違いがあれど、繋がることができるという例を中国で知りました。実は中国の現地住民も日本人もお互いに怖がっているところがあったそうです。
また、土地の環境によって習慣が大きく違うこともあるようです。「中国の人はよく唾を吐く」ということを日本で聞いて怖いなと思っていたのですが、実際はただ乾燥地帯が多い中国では喉を湿らせて潤すために行っている行為だったそうです。こうした誤解はもっと紐解かれるべきだと思いました。(中国)
杉本:自分は現地のお祭りが印象に残りました。都市部のポカラという土地で行われたハッピーホーリー祭という人々が総出で行うお祭りは、色付きの粉を窓や住宅にも投げ込み合う非常に面白い体験ができました。 (ネパール)
三堀:現地のコミュニケーションの取り方もバリエーションに富むもので、自分の場合有名なアニメが通じたり、ポーカーのようなものを朝から晩までやっていたり、様々な現地の人なりの手段があることも面白かったですね。(フィリピン)
Q. 現役学生「 現地での食事で気になったことはありますか?」
A. 宮城:三食ともカレーだった…!
カリフラワーを肉だと思うほど疲れた中で食べたため印象に残っています。食事の際は右手を使います。左手は不浄の手とされているのでほぼ使わず、 スプーンを使う場合もありました。現地ではスーツ姿でネクタイも締めた IT系の人々も手で食べることが多いそうです。(インド)
杉本.:ネパールでは、中国とインドに囲まれているからか餃子の中にカレーのようなスパイスが入った「モモ」という料理を食べました。 (ネパール)
※「モモ」についてはここから見ることができます。
https://plaza.rakuten.co.jp/margaux67/diary/201306290000/
川島:中国では食べ物を完食すると食事が足りなかったと受け取られてしまうため、残すことが礼儀とされていましたが、IVUSAとしてあまり好ましくない行為なので無理をしながら食べました。(中国)
~参加してみた感想~
参加していただいた方の多くが活動をする前や実際に活動に行ったことで、やりがいや目標を見つけることができることが国際協力の最大の魅力なのだと感じつつ、推測の外国と実際の現地の違いなども踏まえながら楽しくお話を聞くことができました。
今後も国際協力のクロスカフェは継続して行われるようなので、興味があればぜひ覗いてみてください!
【この記事を書いた人】
本部広報部員:佐藤瑛恭
山形酒田クラブ所属。本部広報部では、主にIVUSA会員のためのWebマガジン「WEDOMORE」の作成や広報研修の「文章の書き方」などを担当。
吉田愛里紗(東京市ヶ谷クラブ3年)
東京都東久留米市出身。
福島県沖地震災害救援活動、山形県日本海沿岸清掃活動、静岡県西伊豆町活性化活動などに参加したことがあります。
クロスカフェでは、日本とは異なった海外の文化に触れながらボランティア活動を行った先輩の貴重な体験を知ることができます!
ぜひ皆さんもお越しください!
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