ゆるぼうvol.016 中越地震(2004年)②【Youth for the Resilience】


▶以降につながる災害対応時の教訓


宮さん「中越地震は、その後の災害時対応の教訓になる出来事がいくつかあったんだよね。まずひとつ目は救援物資災害」


三浦「救援物資災害ということは、外部からの救援物資により何かしらの課題が生まれたということでしょうか?」


宮さん「救援物資は被災地を襲う”第二の災害”とも言われていて、代表的なものは古着だよね。南西沖地震、阪神・淡路大震災、三宅島噴火災害時にも問題になった。中越地震の時には、被災地救援策で被災地宛の小包郵便物の送料が免除されたため、個人からの救援物資が大量に役場に届けられた。その結果として仕分けや保存、管理に人員も予算も割かれることとなってしまった」


三浦「救援物資によっては、届いた頃には必要がないなんてことが起こるのも容易に想像できますよね」


宮さん「今考えるとそうだね。適切に善意が被災地に届くようにと、その時期から、個人の支援では物資よりも義援金を送るという流れが生まれていったね」


三浦「ドラえもん募金もその一つですね」


宮さん「ふたつ目の教訓は災害関連死だね」


三浦「近年の被災地報道ではよく耳にする言葉ですが、何をきっかけにして中越地震の時に広まったのでしょうか?」


宮さん「当時は冬に向かう時期で寒く、避難所ではなく車中で避難生活を送る人たちも多くいたんだよね。そうした人たちの中から体調不良で亡くなってしまった人が出たことで避難所環境の劣悪さやそれに起因する健康被害が注目された」


三浦「エコノミークラス症候群というものですね。熊本地震の際にも多く取り上げられましたよね」


宮さん「また、役場の方が災害対応による過労で亡くなってしまったこと。こうしたことがきっかけになり、災害による直接死だけでなく、命が助かった後の災害関連死という言葉とそれをどのように防ぐかという議論が広がっていったんだよね」



▶兵庫県出石町(いずしちょう 現 豊岡市)への災害派遣


宮さん「余談になるけれど、中越地震の3日前に台風23号が上陸し、兵庫県や京都府など西日本を中心に被害が多発。河川が決壊した出石町にIVUSAは災害派遣を行なった。つまり中越地震の被災地への派遣も重なり、計3箇所へ同時派遣の状態だったんだよね」


三浦「そうだったんですね。2004年は災害が多発した年だったという話もありましたが、特定の時期に複数箇所で災害が起こったことで、ボランティアの偏りも起こったりしたのでしょうか?」


宮さん「地震はインパクトがあるから、多くの人が中越地方に向かったね。そんな中、復旧にマンパワーを必要としていた出石町に派遣で出たことは、当時の災害ボランティア全体の動きを見ても必要なことだったかなと思うね。その後日談として、復興後の出石町に日本財団が視察に行った際、黒澤さん(IVUSA特別顧問)もそのメンバーだったんだよね。そこで、当時支援に入った地域の方々が皆口を揃えて”あの時IVUSAが来てくれなかったら、復興に向かう元気も出なかった”とおっしゃっていて、感謝されたという話を聞いたよ」


三浦「マンパワーを必要としていた水害には大人数を、災害VCや避難所サポートが必要な地震に対しては経験豊富な上級生を中心としたチームを派遣するというIVUSAができることをした結果、地域の方の大きな助けとなれたことは非常に嬉しいことですね」




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▶『Youth for the Resilience』とは
東日本大震災から10年となる今、私たち若者が自らの大切なものを守るための「備え」と「行動」を身につけることを目的とした「若者の災害対応力向上キャンペーン」です!
「#Y4R」


▶『ゆるぼう(ゆる防災)』とは
Y4Rキャンペーンの取り組みの一つで、 「調べれば分かるけど、そこまでじゃない話」をコンセプトに、事務局の宮さんと三浦が防災・減災に関する様々なテーマについて話し合うシリーズです!
今後も「防災袋に入れておくべきものは?」「避難生活時に気をつけるべきことは?」などなどのテーマを予定しています!


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私達一人ひとりが取るべき避難行動は生活圏・居住環境によって異なります。
この災害対応力レクチャーでは、IVUSA職員の宮﨑が、実際にあなたが暮らす地域や居住環境で必要な災害への備え、被災時行動をレクチャーします!
希望する人は会員ページ内の災害対応力レクチャーエントリーページからエントリーをお願いいたします! 


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事務局 三浦 慎爾
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