ゆるぼうvol.015 中越地震(2004年)①【Youth for the Resilience】


▶災害VC運営の確立


三浦「過去の災害に触れていくと、1995年の阪神・淡路大震災は教科書で知っていて、2010年代以降は実体験としての記憶がありますが、その間に起きた災害は教科書にも載っていないですし、はっきりとした記憶もないので、個人的な感覚として抜け落ちている感じはします。特に2004年は災害ボランティアにおいて結構重要な時期だったと聞きます。この頃に起きた中越地震を中心にお話を聞かせていただければと思います」


宮さん「2004年か。IVUSA的には長岡まつり大花火大会やとちお祭の活動があるから、そのきっかけとなった中越地震は皆も多少は知っていることはあるかな。実はこの年、台風が10個も上陸したんだ。観測平均は2~3個、東日本台風があった去年で5個。西日本豪雨があった2018年も上陸数は5個。ダントツで台風に見舞われた年で、全国各地で水害があったし、地震があった中越地方も7月に大水害に見舞われたんだ」


三浦「そうだったんですね。去年も災害が頻発し全国各地で災害ボランティアセンター(VC)が立ち上がりましたが、当時もそうだったんでしょうか?」


宮さん「そうだね。結果的にこれまで蓄積されてきた社協ボラセンのノウハウが一気に拡散され、災害VCの運営は社協がやるという流れを決定づけた年になったね」


三浦「全国でVCが立ち上がって知見が蓄積されていき、10月に起きた中越地震の際にそれらが反映されたような流れでしょうか?」


宮さん「7月の大水害でのVC運営の反省や改善案など次に活かす準備をしていた10月に地震が起きたから、基盤もあったし、災害対応に関わる人達の意識も高い状態だったんだよね。そうしたタイミングだったからこそ、実践を通じより災害VC運営の形が定まっていった」


三浦「それ以降のVC運営の流れについては僕も知っている通り、全国的に社協VC運営がスタンダードになっていくんですよね」


宮さん「そうだね。さらに言えばこの年を経験した多くの人材が、その後の災害VC支援のコーディネーターとして活躍したり、マニュアルをもとにした研修会を実施したりするなどし、災害VC運営のノウハウが広まっていった感じだね」


三浦「当時、新潟県の中里村(現 十日町市)でIVUSAが災害VC運営を行なったということは少し聞いたことがあります。それにはどういった背景があったんでしょうか?」


宮さん「町村社協は専従職員の数が少なく、災害VC運営と社協の通常業務を同時にこなすことは不可能なんだよね。だから卒業生からのSOSでIVUSAが災害VCの立ち上げから運営まで担い、地域の若者たちを巻き込んだ活動を実施。結果として閉所まで行なったね」


三浦「閉所ということは、全てのニーズを解消しきったということでしょうか?」


宮さん「村だからできたんだけど、全戸ローラー作戦で全てのお宅の困りごとをヒアリングして解決できるニーズはIVUSAと中里村の若者の連合チームで片っ端から解決にあたった。そうして、一次ニーズを対処しきってVCは閉所。それ以降出てきたニーズに関しては、社協と地域の若者が連携する形で対応できるよう引き継いでIVUSAは撤収という形だったね」


三浦「一つの理想形ですね。社協によっては単独でのVC運営が難しいところもあるでしょうし、それを見越した地域内連携や外部支援の受け皿づくりを進めておくことも必要になってきそうですね」




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事務局 三浦 慎爾
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