「自分と他人とは違う」
そんなことは当たり前とは頭では分かりながらも、“違い”に苦しんだり、悩んだりした経験は多くの人にあるのではないでしょうか。
“違い”をどう考えればいいのか。
“違い”をどう扱えばいいのか。
そんなことを、「発達障害」という切り口から考えていきたいと思います。
▼この記事を書くきっかけとなったイベントのレポートはコチラ
Social SalonオンラインVol.2 〝発達障害“から考える、共に生きる社会
■“スペクトラム”という考え方
発達障害の一つに「自閉症スペクトラム障害」というものがあります。
“スペクトラム”とは何か、というと、
「意見・現象・症状などが、あいまいな境界をもちながら連続していること(デジタル大辞林)」。
虹のように、様々な色が、明確な境界なく隣り合っているようなイメージです。
かつては「広汎性発達障害」というものの中に、「自閉症」「アスペルガー症候群」など、特性の目立ち方や言葉の遅れなどによって細かく分けられていましたが、
ということで、精神障害の分類と基準が示されている診断マニュアルDSMの2013年版『DSM-5』から表記が変更されました。
■特性はグラデーション、という考え方
前述の“スペクトラム”に表現されている「特性のグラデーションであって、定型発達も発達障害もつながってるよね」という考え方は、発達障害全般において言えること。
そもそものところ、「100%同じ」人なんて2人といないわけで
(一卵性の双子であったとしても全部一緒ではないはず。環境によって全く変わるという研究も)。
ただその前提はとても忘れやすく、自分と相手の“違い”のギャップが大きいことが分かった瞬間に突然自覚することが多いような気がします。
「あいつなんでこんなこと言うんだろう」
「あいつなんでこんなことするんだろう」
「あいつなんでこんなことができないんだろう」
こうした疑問はきっと相互理解のヒントの一つにすることもできるものですが、悲しいかな、得てして“違い”は不信感や嫌悪感につながっていることもとても多いのではないでしょうか。
そんな時、【自分と相手は違うんだ】ということを改めて思い出してみると、ちょっと、前に進めるかもしれません。
■発達障害のいろいろ
発達障害の話に戻り、「発達障害」にはどのようなものがあるのかについて。 障害の種類と特徴には、下記のようなものがあります。
箇条書き部分が障害の特徴ですが、分かるような分からないような感じですね。 それぞれの障害で表出したりする(全員ではない)、“違う”ように見えてしまうようなこととしては下記のようなことがあげられます。
「あれ、私も…?」
そう思う項目、ありませんでしたか??
それが、グラデーションの実感ではないかと思います。
■グラデーションがつくる多種多様な個人差の中で、より心地よく生きるために
人はみんな、そもそも違うもの。
しかし、“違い”のギャップが大きければ、本人は生きづらさを、周りはやりづらさを感じてしまったりします。それが大きくなれば、本人はうつ病などの二次障害を負ったり、関係性には不和が生じてしまうことも。
自分の特性や、他者との大きな違いにただ苦しむのではなく、より心地よく生活をしていくために。自分について、相手について、そして障害について、知ることもまた大事なことなのではないでしょうか◎
知りたいな、と思った時、個人的おすすめは下記のサイト。 精神科医さん脚本・監督、解説もありながら、ギャグ風マンガで知ることができますので、気になった方は読んでみてください!
▼ゆうメンタルクリニック マンガで分かる心療内科・精神科
第45回「発達障害・アスペルガー障害って何ですか?」
マンガで分かる【ADHD・注意欠如多動症】1回「注意欠如」って何ですか?
この記事を書いた人
IVUSA事務局大坪英里奈
IVUSA17期卒で関西事務所勤務。
子どもの教育支援事業や新潟県関川村・三重県熊野市での地域活性化活動を担当。プロジェクト・組織マネジメントでの業務分野としては“アド”をこっそり担当しつつ、学生組織運営のサポートもしている。実は、トレーニングを受けたカウンセラーだったりする。
(写真:プロジェクト帰りに学生たちがプレゼントしてくれたバースデーケーキとともに)
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